周年関連施策

神谷浩史&井上和彦による対談インタビュー記事公開!

2023.07.01

神谷浩史&井上和彦による対談インタビュー

TVアニメ『夏目友人帳』15周年&第七期制作決定に際し、キャストインタビューを敢行! 夏目貴志役・神谷浩史さんとニャンコ先生/斑役・井上和彦さんによる対談の様子をお届けします。

2023年、TVアニメ『夏目友人帳』15周年という節目の年を迎えて、どのようなお気持ちですか?
神谷さん(以下、神谷)15周年、と言ってもアニメが始まってずっと作業をしていたわけではありませんが、一番最初のアニメ『夏目友人帳』第一期から数えて15年ということで。15周年を迎えられて、今でもたくさんの媒体にインタビューしていただけることが驚きだし、そのような作品に関われていることはすごくありがたいですよね。
井上さん(以下、井上)15年前から演じさせていただいて、うれしい限りなんですけれども、ずーっと15年続いていたわけではなく、自分にとっては節目節目にこの作品に巡り合っていて。毎回新鮮な気持ちで取り組んでいるので、充実感が持続しています。現代社会においてはゆっくりに感じられるかもしれませんが(笑)。
第七期まで続くアニメはなかなかないと思います。お二人のキャリアにとって、本作はどのような存在ですか?
神谷 (井上)和彦さんが節目節目で本作に関わる機会をいただけているとおっしゃっていましたけど、僕も同じです。ある一定のゆるやかに流れている時間から動かない少年を演じるハードルが、年々高くなってきているのを感じていて。とはいえ演じさせていただける以上は、その時々で皆さんに納得いただけるご提案をしなければ、と思うんです。15年前と今の僕は細胞レベルでは別人ですし、当時と全く同じことができるかと言われれば、全然そんなことはないんですけど…。やっぱりこういう長期作品があると気合は入りますよね。自分のキャリアの中で、ある一定のところからはみ出ない、ゆるやかな時の中で生きているキャラクターを定期的に演じさせていただける機会があるのは、僕にとってはすごくありがたいことだなと思っています。
井上 僕はラッキーなことに、いろいろな長期作品に関わらせていただいていて。その中では特段長い作品ではないし、本数的にもそんなに多い作品ではないのですが、存在は大きいですね。演じさせていただいている中で一番ぶっとんだキャラクターですし、グッズもいっぱい出て…。若い人たちを始め、ここまで多くの人に愛されるキャラクターは今までいなかったので、自分にとっても特別です。
井上 15年の中でかなり変わったと思うんですよ。さっき、最初のオーディオCDを収録した時の写真を見せてもらったら、2人ともめちゃめちゃ若くて…。(神谷)浩史なんかめっちゃ細くて。
神谷 細かったですね〜(笑)。
井上 僕もまあまあないい男で、(笑)。「あれ!? こんなんだったんだ」ってね。これが15年の時の流れかぁ、恐ろしいなぁ、と思いました。自分では変わってないつもりだったけど、現実を見せられるとなんか、ね。
神谷 ね(笑)。2人とも若造でしたね。
井上 若かったな(笑)。つっぱってたな(笑)。そこからすると随分丸くなったなぁ、と思いますね。これからもニャンコ先生のように、丸く表現できたらいいなと思います(笑)。
神谷浩史&井上和彦による対談インタビュー①
ありがとうございます!それでは、15周年への想いをお聞かせください
神谷 「感謝」ですね。
井上 うん、「感謝」ですよね。
神谷 というのも、作品を長く続けるって本当に難しいと思うんです。僕ら以外の制作側は皆さん会社員なので、入れ替わりが激しくて。そのなかでずっと同じ想いを持ったまま、作品を作り続けてくれる人ってなかなかいないので…。成功した作品を担当することはプレッシャーだし、自分のことよりも「前の人が作っていたものだから」という思いが入ってしまうじゃないですか。そのせいで作品を続けるのが難しくなっていくなか、『夏目友人帳』に関してはなぜか人が変わっても同じ想いを持ち続けて現場にいてくれるんですよね、不思議なことに。本当に皆さん、作品を愛してくださるんですよ。本当に感謝しています。
井上 まさにその通りで、プロデューサーやスタッフさんが変わっても、みんな優しいんですよ。それって緑川ゆき先生の描く作品自体が持っているパワーだと思うんですけど。それがプロデューサーやスタッフさん、役者たちみんなに浸透していって、“緑川イズム”というか、そういうものがこの作品をずっと続けさせていっているんじゃないかな。普通、間が空くとみんな「どうなっちゃうのかな」となりがちなんですけど、誰も焦らないんですよ。
神谷 たしかにそうですね。
井上 みんな落ち着いてるんです。だから、1回終わっているんだけど誰も終わった気がしていない。それがすごく不思議な作品だと思いますね。
神谷 いつからかそうなりましたね。最初はね、終わってしまって寂しい、みたいな。
井上 寂しいな〜、と思って。そのまま4年くらい空いたんだよね。それで第三期・第四期と出たんですけど、そこからもう誰も慌てないですね。
神谷さん (笑)。
井上 「ああ、どうも〜」と。期間が空いてるはずなのに、一瞬でスタジオの空気が戻るんですよ。不思議です。
神谷 時が経っているのも含めて、「ああ、まあ…時が経ちましたね」という(笑)。頑張りましょう、みたいな(笑)。
井上 ずっと続いているのに、毎回同窓会みたいな感じですかね。
神谷 初々しさはなくなりましたね(笑)。
神谷浩史&井上和彦による対談インタビュー②
続いて、TVアニメ一期の最初の収録を覚えていますか?その時の心境もお聞かせください。
神谷 覚えていますよ、初回は画があったなと思って(笑)。画があったんでアドリブが入れやすかったんですよね。夏目(貴志)はすごく走る子で、その話の中で走るシーンが必ずあるんじゃないかというくらい、必ず走らされていたんです。だから一番最初の、ひしがきという妖に追いかけ回されて走るシーンでは、振り返るポイントで息の質を変えたりとか…。演じていて「ああ、楽しいなぁ」と感じたのをすごく覚えています。
井上 最初の頃は、悟ったようなことをニャンコ先生が言うじゃないですか。だからだいぶ大人な感じがして…。そこから先の崩れたニャンコ先生を見ると、妖が変わったぐらいに真面目なことを言っていたので…(笑)。自分では役作りを変えたつもりはないんですけど、当時の話を見ると「あ、ちゃんとしてる」って(笑)
神谷 だらしなくないですよね(笑)。ちゃんと香箱座りで座っている猫でしたね。お腹出して寝ている感じではない。
井上 まぁ、それも含めてニャンコ先生なんですけど。崩れる前は結構緊張感がありましたね。…あったかな?(笑)。
神谷 ありました。ありました(笑)。
もし15年前の夏目とニャンコ先生/斑にひとこと声をかけるなら、なんと声をかけますか?
神谷 え〜。「健康には気をつけろよ」。
一同 (笑)
井上 15年前ね…。(ニャンコ先生の声で)「飲みすぎないでね」。
神谷 続いちゃうよ、この先…!15年…!
井上 反省してます(笑)。
最後に、ファンの皆さんへ向けてメッセージをお願いいたします!
神谷 ありがたいことに15周年を迎えられて、なおかつ第七期が発表されてうれしい限りです。緑川先生が手がけられる『夏目友人帳』の世界を、アニメーションとして一番良い形で届けられるように頑張りたいと思いますので、ぜひぜひお付き合いください。よろしくお願いします!
井上 皆さんと同じ時代に生きて『夏目友人帳』の世界を一緒に紡いでいけるという幸せを何時間もいただけました。一生懸命演じたいと思いますので、皆さんも一生懸命応援してください(笑)。よろしくお願いします。
[取材・文/笹本千尋]